2017年3月22日水曜日

「すつぽんぽん」を読む

ふたり落選展を開いています。


松本てふこ「すつぽんぽん」


とてもいい作品なので少し鑑賞を。


佐保姫のすつぽんぽんでおはしけり 松本てふこ


表題作。
古事記の「佐保彦の乱」の佐保姫が元になっているのでしょうか。
酒で衣服を腐らせて追ってから逃げる佐保姫。
「すつぽんぽん」という措辞があっけらかんとしていて、
あまり不幸さを感じさせません。
むしろどこかコミカルな感じ。
佐保姫のつやつやと白い肌が神々しく思えます。


虚子の忌の天井低き喫茶室 〃


混雑してそうですね。
いろいろな人々があれやこれや喋ってそう。
「低き」が息苦しさを感じさせ、「虚子の忌」に対して少し皮肉にも思えます。
でも集っている人々は結構楽しいのかもしれません。




秋蝶といふ一枚のからだかな 〃


秋蝶は分解すれば四枚と胴だと思うのですが、
ここでは「一枚のからだ」と把握され、
秋蝶のなめらかな体の動きが見えてきます。
青い空を飛んでいくのは「一枚のからだ」だと思うと不思議な気持ちになります。
一番好きな句です。


初旅の部屋の大きなテレビかな 〃


小さな部屋のやたら大きなテレビ。
特段見たい番組がなくても点けてしまったり。
地元タレントとかが活躍していたり。
リアルです。


つんつんと生クリームや立子の忌 〃


生クリームのお洒落で華やかな感じ。
「立子」だなあ、と思います。


てふこさんは何気ない生活実感の中に
人間が生きていることで発生する少しのきらめきを掴まえ、
あっけらかんと詠んでしまえる俳人だと思っています。
身近な対象に愛情がある。そんな気がします。


3月末までの公開なので今のうちに!





てふこさんも鑑賞をしてくださいました。
こちらも3月いっぱい!
松本てふこ「倒木」を読む

2017年3月2日木曜日

第5回星野立子新人賞ひとり落選展【期間限定】

星野立子。その健やかな俳句の詠みぶりには感動します。


昃れば春水の心あともどり
囀をこぼさじと抱く大樹かな
いつの間にがらりと涼しチョコレート


その大胆で現代的な伸びやかさ。


そうして憧れて毎年、「星野立子新人賞」に応募します。
今回も去年に引き続き『俳句』3月号に名前は残ったものの落選。
残念。
とはいいつつ、結構気に入った作品集が出来たので、期間限定で公開することにしました。
「まだまだだ!」とか「これは好き」とか感想をお聞かせ頂けると非常に嬉しいです。
(健やかさ……はまだまだ、というか難しいです)


第5回星野立子新人賞落選作
倒木


3月の末までの公開とします。


追記
松本てふこさんと「ふたり落選展」になりました!
https://note.mu/tefcomatsumoto/n/n2e4e62488669

2016年11月29日火曜日

楽器となる

明日、勤労感謝の日ですね。
と、いう理由でもないのですが、この一年分くらいの作品を一週間upします。
お休みの合間にでもご笑覧頂けると幸いです。


楽器となる 終了しました

2016年3月2日水曜日

期間限定俳句作品up

年度末なので、約1年分くらいの俳句作品をupしたいと思います。
3月いっぱい公開の予定です。


塗絵 終了しました

2015年8月24日月曜日

オルガン2号

壷よりも学ぶ海月の子どもたち 田島健一
水無月の楽器は束ねられた管 鴇田智哉
明易の大雨の降る鏡かな 宮本佳世乃
鷹を描きその他は青を載せつづく 生駒大祐


オルガンの2号も面白く読みました。非意味のあり方がばらばらなようで共通するところがありました。
座談会Ⅰで『遅日の岸』における透明性について言及があったけれど、4人の作品も透明性という点では濁りが少ないと思います。


さて、座談会Ⅱでは興味深い設問が用意されています。
特に「あなたは俳句を誰に向けて書いてますか?」
わたしの場合、想定読者は私とおなじくらいの言語処理能力の人なのですが(生駒さんは「自分よりひとつステージの高い読者」と回答)、その人に向けて書いているかと問われればNOです。
それでは誰に向けて書いているのだろう……と悩みだすとぐるぐるとしてきます。
わたしはわたしに向けて句を書いている気もします。
座談会Ⅱでは「句がわかる、わからない」「わからないようにしたい」「謎を残したい」などの言葉がよく出てきます。わたしもそうかもしれない。安易にわかられたくないと思っているかもしれない。ならば誰に向けてわたしは書いているのだろう……と、ぐるぐる。
ひとつ思うのは「うまい人にうまいとほめられたい」とはたいして思っていないということです。
そうだ、わたしはテレビ東京とかEテレの深夜枠のドラマをみているような人に向けて書いて行きたい!(本当かな)


この平和に枇杷山盛りなど炎吐くぞ 田島健一
あたま水玉めくるサイクルほととぎす 鴇田智哉
西日と脳とぼんやりと目のあひぬ 宮本佳世乃
星々のあひひかれあふ力の弧 生駒大祐


次号も楽しみです。

2015年6月16日火曜日

千夜一題問題集 問11

一日に50cc水をやると1cm伸びる双葉があります。
十年間水をやり続けた図を描きなさい。

2015年5月8日金曜日

ひとり後夜祭

spicaで掲載させて頂いた「図書館コラージュ」が満尾を迎えました。
http://spica819.main.jp/tsukuru/tsukuru-okadakazumi


拍手!というわけで、spicaの運営の皆様、読んでくださった方々に感謝感謝です。
毎日午前0時に更新されるのを一番楽しみにしていたのは私自身です。


そんなこんなでひとり後夜祭。
昨年末にまとめた『境界―borber―』以後の作品集
『地球における沼とその他の在処』を一週間お届けします。
連休のお供にしていただければ幸いです。




『地球における沼とその他の在処』 終了しました